RFPの作り方を解説!効果的に策定するポイント

Column

2019.09.25

RFP(Request for Proposal:提案依頼書)を作成する際の重要ポイント、目的の明確化、現行業務やシステムの調査、インタビュー項目などを解説します。効率的に効果のある的なRFPのを効率的に作成する方法を学びましょう。

RFP策定における重要ポイントとプロセス

RFP策定は、自社内のシステム導入にとって欠かせないプロセスの一つです。ここでは、RFPを作る際に押さえておきたい重要なポイントを挙げます。下図とともに解説していきましょう。

※RPF策定のタイミングについては記事「RFPとは?」を参照

■図1  一般的なシステム導入プロセスと、RFP策定プロセス
 一般的なシステム導入プロセスと、RFP策定プロセス

目的の
明確化

まず、最も重要なのは「目的の明確化」です。システム導入、リプレイスなどのプロジェクトの「目的」は何でしょうか。これを改めて協議し、プロジェクトメンバーが共有できるように明文化します。システムの導入目的を言語化することで、個別の要件にブレークダウンでき、RFPに掲載すべき項目を整理できます。

現状把握

次が「現状把握」、つまり、調査のステップです。調査するのは、現行業務、現行システム状況で、実情と合わせて問題点を把握します。書類上の調査にとどまらず、経営層、管理職(ミドル層)、現場など、ステークホルダーへのインタビューも実行します。このインタビューについては次項でもう少し詳しく解説します。

課題抽出
解決策立案

「現状把握」で業務やシステムを調査した内容をもとに「課題抽出・解決策立案」を行います。「解決策立案」では、課題の解決方法、優先順位の設定、実現可能かどうかの精査などを行います。

RFPはこうしたプロセスを経て作成します。RFPには、上記の他にも、スケジュールや予算、責任者を始めとするプロジェクトの推進体制も明示する必要があります。

RFP作成におけるインタビューの重要性...課題の全貌を浮き彫りに

インタビュー風景

RFPを作成する際に、情報システム部門など導入担当者は、現状を知るためにもシステムを利用している部署などにインタビューを行う必要があります。システムの現状のうち、機能や操作状況は資料や過去のログなどを調査すれば、ある程度は把握できるでしょう。しかし、業務運用上どのような課題があるかは、現場の担当者に聞かないとわからないことが多くあります。

インタビューの対象者は、導入・リプレイスするシステムにより異なります。多くのシステムと連携する全社的なシステムを導入する場合、現場のユーザー層のみではなく管理職や経営層にまでインタビューを行うべきでしょう。先に述べた通り、このようなケースではシステム導入・リプレイスが企業のIT戦略やITグランドデザインと密接な関係があるからです。運用面では、情報システム部門、ユーザー部門など、それぞれが既存のシステムに対して異なる課題を抱えていると考えられ、担当者に丁寧にインタビューする必要があります。一方、他システムとの連携が多く発生しないシステムの場合には、現場のユーザーやその管理職など、インタビュー対象者はあまり多くないでしょう。

重要なのは、多くの人にインタビューすることではなく、課題を感じているユーザーや管理職など現場のキーマンを適切に選んで質問することです。そうしてこそ、解決すべき課題の全貌が浮き彫りになり、自社にとって有意義なRFPが策定できるのです。ここでは、そのための質問事項の一例を取り上げます。

<インタビュー内容例>
●経営層への質問内容
  • 現在の経営課題と想定している解決策(経営戦略)
  • 中長期的な人員の配置方針、重点事業
  • 経営層が考えるITシステムのあり方と課題(現在)
  • ITについて経営層が期待すること(将来的) ...など

●管理職(ミドル層)への質問内容
  • 現在の業務上の課題
  • ITで解決したい業務上の課題
  • IT戦略を現場に浸透させる上での課題
  • IT面で部下をマネジメントする上での問題点 ...など

●現場のユーザーへの質問内容
  • 既存システム利用の上で評価していること
  • 既存システム利用の上で問題となること
  • 導入してほしいシステムについて ...など

●情報システム部門への質問内容
  • システム運用上の課題
  • 現在の業務で大きな問題があると思っているもの
  • 各部門からITシステムに寄せられる要望で多いもの
  • 導入したいシステムについて ...など

ここでは、想定しうる一部の関与者に対するインタビュー項目例を掲載しました。インタビューの実施がスキルやリソースなどの理由から難しい場合には、ITシステムについて知見のある外部の有識者に質問項目の作成やインタビューを依頼する方法も検討してみてはいかがでしょうか。第三者に依頼することで、社内では気付けない課題を発見できる可能性もあります。

RFP構成要素と作成時の注意点

検討している人

RFP作成の際にはまず、基本的な構成を押さえて作りましょう。一般的には、「提案依頼概要」で全体の概要を伝え、その後に各論について述べます。SIerやベンダーに意図を明確に伝えるためにも、それぞれの項目を記載する際のポイントと注意点について解説します。

※RFPの構成要素については、記事「RFPとは?」を参照

【提案依頼概要】
SIerやベンダーにプロジェクトの全体像を伝える、RFPのサマリーとしての位置づけです。ここではシンプルに全体像を述べることを意識して記載します。今回のシステム導入・リプレイスの経緯や、目的、解決したい課題、予算やスケジュールなどを記載します。発注者、SIerやベンダーが認識を共有し、ゴールを間違えないためにも重要なキーワードを記す必要がある項目です。

【提案依頼手続き】
スケジュールや諸条件(予算を含む)などを明示します。納期や予算が明確に示されなければ、SIerやベンダーのシステム提案書は不明瞭なものになりかねません。SIerやベンダーが提案に必要な様々な条件を、ここで明確に記載することが最適な提案につながります。

【提案依頼内容】
SIerやベンダーに提案してほしい内容や範囲について記載します。SIerやベンダーに向けた参考資料として、システム提案書の目次例を提示するのも一案です。複数社のシステム提案書の内容を精査し選定する際に、比較しやすくなります。

【プロジェクト実施にあたっての取り決め】
プロジェクトの実行体制、実行場所、各種費用負担など、細かな取り決めの部分を記載します。

【現行システムの課題と解決イメージ】
ここでは、経営層、ミドル層、現場、情報システム部門などにインタビューした内容を活用して、できるだけ実情に即した課題を明記していきます。SIer、ベンダーに自社の実情を的確に伝えるための重要な項目です。各部門から聞き出した項目を、リアルな声として記載したり、図を用いたりして、分かりやすい項目作りを心がけることがポイントです。
またこの時に、上記の「課題」がどのようになるとよいのか「理想的なイメージ」が伝わるように表現することが重要です。あるべき理想像をSIer、ベンダーに伝えることで、現実的な提案を受けることにもつながるのです。そのためにも、As Is(Before)→To Be(After)の図説を用いるなど、わかりやすく記載することが求められます。

「課題(As Is)」と「あるべき理想像(To Be)」を伝えることが重要
As ISとTo Be

【機能要求】
新システムで必要な機能や、求められている機能の優先順位も記載します。

【非機能要求】
ユーザビリティ、性能、拡張性、セキュリティ、保守サービスなどの非機能要求を記載します。 独立行政法人情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター(以下、IPA/SEC)による「非機能要求グレード」を参考にすることもできます。

【設計、開発、テスト要求】
設計段階から開発、テスト段階で必要な条件について記載します。

【移行、教育要求】
システムの移行時の内容、教育についての条件を記載します。

下記ではこの構成にもとづいたRFPのサンプルを用意していますが、重要なのは、基本的な構成を知っておき、目的や状況に応じて適切な構成にアレンジすることです。

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RFP作成における2つのパターン...RFPを社内外で作る際のメリット・デメリット

検討する人たち

RFPを作成する場合、その主役は情報システム部門になる場合が多いでしょう。しかし、情報システム部門の多くは、通常業務の負担が大きく、リソースに余裕がありません。このような事情も踏まえて、自社内と社外に依頼する場合の2つのパターンを想定し、それぞれのメリットとデメリットを整理しました。双方を比較して自社に適した作り方を見つけましょう。

パターン1:自社内でRFPを作成する

●メリット
  • 自社内の状況を把握し、要望をRFPに反映させやすい

●デメリット
  • 専門的な知識を持つ人員やリソースが必要
  • 過去の経験や思い込みで重要な問題や課題を見落してしまう可能性もある
  • 変化が早いIT分野の中で、多種多様な情報から最新の動向を知り、その中から自社に必要な要件を盛り込んだRFPを作るのは難しい

パターン2:社外にRFP作成を依頼する

●メリット
  • 第三者的な視点からRFPを作成できる
  • 社外のリソースを使える

●デメリット
  • 情報の共有度合いによっては、自社の経営が目指すものや、業務課題まで理解してもらえるかどうかは難しい
  • RFP策定からシステム構築支援まで考えるとより多くの費用が発生する

なお、パターン2の「社外に依頼する」について補足すると、RFP策定の主な依頼先は、(A)SIer、ベンダー、(B)経営コンサルタント、(C)ITコンサルタントの3つに分類できます。

(A)SIer、ベンダーに依頼する場合には、ITシステム導入の経験が豊富なことや最新動向を知っていることから、より良いシステム導入を想定したRFPが策定できるという特長があります。一方で、SIerやベンダー自身が扱いたい製品が優先的に選ばれるようなRFPになる可能性がある点、ベンダーロックの恐れがある点には注意が必要です。

(B)経営コンサルタントの場合、業界や経営専門知識を活かしたRFPを作成できる点が特長です。導入するシステムによっては、専門外のこともあるので実現不可能なRFPとならないか、最新のIT動向に即しているかといった点には注意が必要です。

(C)ITコンサルタントの場合、業務に関する知見を持ち、特定の製品に偏ることのない、幅広いITの専門知識や経験、実績がある点が特長となります。

上記のパターンを参考に、自社にとって最も良い方法を選んでRFPを策定していきましょう。

効率よくRFPを作るコツ...RFPサンプル活用のススメ

自分たちでRFPを策定する場合、ゼロから作り上げていくのは相当な時間と労力がかかり、初めて作る場合には大きな負担となることでしょう。RFP作成を効率化する方法には、①過去に自社プロジェクトで作成したRFPをひな形にすることや、②配布されているRFPのサンプルやテンプレート・ひな形を有効活用することなどが挙げられます。サンプルを活用する場合、自社の要件にすべて合っているわけではないので、構成や見出しは自社の要件に合わせて変更する必要があります。うまくサンプルを活用することで効率的にRFP作成を進められることでしょう。下記にRFPのサンプルを用意しましたので、自社で作成する際の参考になれば幸いです。

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また、RFP作成が難しいと考えてアウトソースする場合でも、こういったサンプルは役に立ちます。RFP作成依頼の際のサンプルとしてや、提出されたRFPが適切なものかどうかを評価する基準としても活用できることでしょう。

まとめ...RFPには現状と実現したいことを明確に記載しよう

検討する人たち

本記事ではRFPを策定するプロセスや注意点を解説してきました。RFP策定は、時にはインタビューを行いながら自社システムの実情を見つめ直すなど、時間や労力がかかる業務です。しかしながら、RFPに適切な内容が含まれていないと、その後のシステム構築や運用に大きな影響が出ることになるため、丁寧に進める必要があります。

RFPを的確に作成するためには、まずは自社の実情を明確にとらえることが重要です。そして、実現したいシステムの姿をプロジェクト関与者全員が共有できる状態にしておくこと。このような内容をRFPに盛り込むことで、SIer、ベンダーの的確なシステム提案につながることでしょう。そのためにも、下記のRFPサンプルを活用し、最適なシステム構築につなげてみてはいかがでしょうか。

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